引き続き、職員が定着し収益も伸びる病院・介護施設の組織課題別経営改善方法についてです。
病院が抱える組織経営上の課題別改善パッケージ
ここまでは、病院が抱えている組織経営上の課題と、それを改善する上で押さえておくべきポイントをご紹介してきました。
ここからは、それぞれの課題別におススメの改善方法をパッケージにまとめていきたいと思います。
経営方針やビジョンの浸透を目指す改善パッケージ
経営方針やビジョンの浸透を図るには、まず経営方針やビジョンを文書なりデザインなりに書き出して職員に見える様にすることが必要です。そしてそれを伝達する機会を定期的に作ることも必要です。
更に、経営方針やビジョンと部署目標なり個人目標なりがしっかりとリンクしている状態を作ること、そして、計画や目標だけではなく、それがどうなったのか結果も踏まえて評価・共有することがポイントになってきます。
経営方針やビジョンの浸透を目指す改善パッケージ
- 経営方針の見える化と伝達方法の確保
- 経営方針と目標管理のリンク
- 方針や目標に関するレビューの機会の確保
それでは1ずつ見ていきましょう。
経営方針の見える化と伝達方法の確保
経営方針のTOPは理念です。それを実現するために中長期の経営計画があります。理念は概念的なもので、どうしても「ふわ」っとしています。ある意味では到達不可能で、そこを目指し続けることに意味があるとも言えます。
だから理念だけで組織が走り続けられるものでもありません。向こう10年程度の長期経営計画と3年程度の中期経営計画を作成して具体的なゴールを設定します。そうすることで経営方針やビジョンを地に着いた目に見える目指しやすいものとして固めていきます。
まずは理念と中長期計画を揃えて、年に何度か職員に伝達する機会を作りましょう。最初はそれで十分に効果が望ます。
中長期計画の具体的内容についてはこちらもご覧ください。
経営方針と目標管理のリンク
経営方針を浸透させるには、職員に自分事として捉えてもらう必要があります。
理念やビジョンを伝えたからと言って、すぐに職員が自分事として捉えてくれるわけではありません。例えば、職員が年度の自分の目標として個人目標を立てるとします。経営方針から個人目標までは以下の通りにかなりのステップがあります。
- 理念
- 長期経営計画
- 中期経営計画
- 年度経営計画
- 年度部署計画
- 年度個人目標
職員にこれらが論理的につながっていることを体感してもらうことが重要です。最初から全職員に理解してもらうのは無理があります。まずは経営幹部、部署長、主任と徐々にすそ野を広げていくことから始めましょう。
方針や目標に関するレビューの機会の確保
言いっ放し、やりっ放しにしないという事です。
1番良くないのは、前に作った経営方針を無かったことの様にして、新しい方針を作ってしまうことです。これを繰り返すと、職員は「どうせ今回も形だけだろう。」と感じてしまいます。
方針や計画を作ったら、必ずレビューの機会を作りましょう。
レビューとは以下の内容を指します。
- 方針や計画はどこまで達成できて、どこが達成できなかったのか。その要因は何なのか。
- 理念の実現や組織の成長、経営改善等の方針や計画が目指していた成果はどの位得られたのか。不足しているとすれば要因は何なのか。
- 方針や計画を作成した時と比べて、組織内外の事業環境はどの様の変化しているのか。そこにある課題や機会は何なのか。
- これらを踏まえたうえで、方針や計画の変更の必要性はあるのか。
全ては無理にしても出来るだけレビューの結果も職員と共有する様にしましょう。
レビューについての詳しい解説はこちらをご覧ください。
次回は、医療サービスの標準化を目指す改善パッケージについてお伝えします。
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