制度ビジネスは事業継続可能なように設計されている
制度ビジネスとは、医療や介護、福祉の様に、保険制度等に基づいて国が単価や施設基準を決めているサービスのことです。
医療であれば診療報酬、介護であれば介護報酬、福祉であれば障害福祉サービスというように報酬制度と施設基準を国が決めています。
これは、大きく利益は出なくとも、赤字にはならないように国が価格やコストをコントロールしていることを意味しています。
それでも、全国の病院の半数程度は赤字経営と言われています(厚生労働省 令和元年度第22回医療経済実態調査の報告より)。
これはどうしてでしょうか。
答えは、サービスは行っているが、経営を行っていないからです。
経営のセミナーに参加したり、経営コンサルタントと契約したりしてもうまく行かないのはそれが理由です。
市場分析だ、診療圏サービス圏分析だ、コスト改善だと数値を追いかけます。
もちろんそれも大切です。数値化すること自体には大賛成です。
でも、それはあくまでも経営の一部であり、もっと大事なものがあります。
「医療は人なり」
「医療は人なり」は病院の組織を表現した言葉です。
これは病院だけに当てはまるものではありません。介護も福祉サービスも全く同じです。
「介護は人なり」、「福祉は人なり」です。
これらの組織は、その多くが国家資格を持った専門家集団です。そしてそれらの人材が、患者さんや利用者さんと直接接してサービスを提供することで事業が運営されます。
結果を出し続けるには、しっかりとした経営システムを定着させ彼らを動かし続けること以外にあり得ません。
そこで、医療・介護・福祉の経営における経営システムの根幹となる3つのマネジメントについてまとめました。
これをしっかりと定着させることで経営は自然と回りだすはずです。
経営の根幹となる3つのマネジメントについて
医療や介護・福祉の経営システムを構成するのは以下の3つのマネジメントです。これらの3つのマネジメントを整えるところから、結果の出る組織経営は始まります。
- 経営方針マネジメント
- サービスマネジメント
- 職員モチベーションマネジメント
今回のシリーズコラムではそれぞれを詳しく解説していきます。本日は経営方針マネジメントについてです。
経営方針マネジメント6つのポイント
経営方針は組織が目指す方向性のことです。
これは理念やビジョンに始まり、個人目標にいたるまでのピラミッド型になっています。
つまり、理念・ビジョンの実現のための長期経営計画、長期経営計画達成のための中期経営計画、そのための年度経営計画、部門・部署目標、個人目標、と矛盾なくブレイクダウンさせることが重要です。
経営に関する6つの方針一覧
経営方針は立てるだけでは意味が無い
理念・ビジョンは価値観やあるべき姿といった抽象的なものになります。
これがピラミッドの下に行くほど具体的になったり、数値化されたりしていきます。
経営方針は立てるだけでは意味がありません。
必ず文書にし、職員に見える様にしましょう。できれば、理事長や院長、経営幹部による職員への説明の機会を作りたいです。また、年度の始めや年始の挨拶等、要所要所でも話題にあげましょう。
「また言ってるよ(笑)。」と言われる位が丁度良いと考えてください。
0 件のコメント:
コメントを投稿