医療介護福祉組織の風土を確実に改善させる4つのプロセスの最終回です。
これまで、4つのプロセスとは、いわゆるPDCAサイクルを精緻に、確実に実行するプロセスであるとお伝えしました。
そして、4つのプロセスの1つ目として、方針展開プロセスを、2つ目として運用プロセスを説明しました。
今回は、4つのプロセスの3つ目と4つ目についてです。
すなわち、パフォーマンス評価プロセスと改善プロセスについてまとめます。
パフォーマンス評価
Checkにあたるパフォーマンス評価についてまとめます。
パフォーマンス評価は、運用プロセスが決められた通りに実行され、患者や利用者の満足度が高いサービスが提供できているかをチェックするプロセスです。
具体的には以下の情報を使ってチェックを進めます。
- 患者・利用者の満足度調査(アンケート)
- クレーム報告書
- ヒヤリハット、インシデント・アクシデントレポート
- マネジメントレビュー
1~3については説明が不要と思います。
満足度が低かったり、クレームやアクシデントが頻発したりする状況では運用プロセスに問題があるのは明白です。すぐに改善を行った方が良いでしょう。
もし満足度調査を行っていないのであれば、簡単なものでも良いので今からでも導入することをお勧めします。
聞きなれないのはマネジメントレビューだと思います。
マネジメントレビューについてはこれから解説をします。
1年間の総括としてマネジメントレビューを取り入れよう
マネジメントレビューとは、ISOに規定されている言葉です。
難しく聞こえるかもしれませんが、1年間の組織のパフォーマンスをまとめた資料と考えてもらえばよいです。
具体的には以下の情報をまとめます。
マネジメントレビューでは、是非、組織の幹部を招集して、顔を見ながら読み合わせをして欲しいと思います。そして、理事長や院長等の組織のトップからコメントももらってください。
コメントは、1年間を振り替えて良かったところ、悪かったところ、より強化したいところ、克服したいところなどを話してもらいましょう。そして次年度の経営計画に反映させます。
これで1年間の経営に関するPDCAが完成します。
招集が無理な場合は書面でも良いのでコメントをもらうべきです。
人というものは計画を立てる時にはそれなりに気合が入ります。
しかし、多くは計画倒れや、やりっ放し、尻切れトンボになります。
マネジメントレビューの仕組みを取り入れることで、この習慣を断ち切り、組織にPDCAを定着させるきっかけとすることができます。
改善プロセス
次にActionにあたる改善プロセスについてまとめます。
実はここまでにActionのプロセスがあちこちに出てきています。
運用プロセスの改善に記載した内容で十分です。
これにマネジメントレビューでの改善指示事項をうまく絡めていきます。
運用プロセスの改善では比較的軽微な改善が多くなるのに比べ、改善プロセスではかなり大掛かりな改善も視野に入ってきます。
例えば、組織改編や人事考課制度の改定、新規のサービスの導入などが該当します。
まとめ
このように、簡単にPDCAと言っても、本来はこれほど精緻な制度設計が求められます。
このサイクルを繰り返しまわしていくことで組織に確実にPDCAのリズムが定着していきます。
3年もすれば、どこ行っても誇れるような確実なサービスマネジメントが定着しているはずです。
3年というのがポイントです。
組織に何かを定着させるためには、ある程度の期間はしつこいと言われる位に習慣化の指示をしていくことが重要です。
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